ニフティクラウドの新プラン(Type-e)鯖をベンチマーク計測してみた
ご無沙汰してます
さて気付けばもう秋ですが、いかがお過ごしでしょうか。
すっかりブログにもサボり癖がついてしまって、いけないですね...。
よく拙著の話題をポストする当ブログですが、久しぶりに技術ネタで書いてみようと思います。
ニフティクラウドの新プラン
仕事上よくクラウドを検証したりするのですが、10月1日からニフティクラウドさんが新プラン(Type-e)を発表されました。
一言で言うと、「サーバーの性能を落とす代わりに安くした」というプラン群が新設されたもので、一番低いスペックのe-miniだと1時間4円(稼働時)となりました。
今までのプラン(Type-h)だと最低でも1時間7円だったので、直接利益を生み出しにくいような事業用途などでは使いにくかった*1のですが、ぐっと現実的になった印象で嬉しいです。
ということで、早速「Type-eにすると、どのぐらい性能が落ちてしまうか」を検証してみました。
まずは前提条件。私が主に使うminiとmediumでのみ、測っています。
イメージ: Ubuntu 12.04 LTS 公式イメージ CPU計測: LBench 5.1.3 Disk計測: bonnie++ 1.96 リージョン: east-14
プロセッサ性能について
まずはプロセッサ性能について。UnixBench 5.1.3での結果です。
CPU性能 | mini | medium(1コア) | medium(2コア) | |
---|---|---|---|---|
Type-e | 357.4 | 1816.0 | 1762.1 | |
Type-h | 706.1 | 2108.1 | 3375.7 |
おや...なぜかmedium1コアの数字が大きくでちゃってますが...*2、ま、いいか。
概して、次のことが言えると思います。
Type-eは、Type-hの約半分の性能
ディスクI/Oの性能について
ディスクについてはbonnie++ 1.96で調べてみました。
まずはシーケンシャル出力。K/secとレイテンシー(ms)の両方を載せます。
速度(遅延) | mini | medium |
---|---|---|
Type-e | 112513(311) | 217689(128) |
Type-h | 200136(137) | 304490( 69) |
お次にシーケンシャル入力。
速度(遅延) | mini | medium |
---|---|---|
Type-e | 157466( 76) | 計測失敗 |
Type-h | 315977( 34) | 計測失敗 |
おお、mediumはミスって計測失敗してました...(早すぎてカウントできなかったか...)。
概して、次のように言えそうです。
・Type-eは、Type-hの約半分の性能
1円あたりの性能
上記の検証でわかるように、Type-eは
いろんな性能が約50%になっているプラン
と考えればよさそうです。
一応、1円あたりのUnixBenchインデックスも算出しておきました。
従量1円あたりのUnixBench指数 | |
---|---|
e-mini | 89.25 |
mini | 100.87 |
e-medium(2コア) | 110.13 |
medium(2コア) | 80.37 |
ちなみに、1ヶ月=30日として、月額課金の場合は次のようになりました。
月額1円あたりのUnixBench指数 | |
---|---|
e-mini | 116.25 |
mini | 105.91 |
e-medium(2コア) | 133.55 |
medium(2コア) | 100.43 |
ちなみに、AWSのt1.microは値上がりと円安の影響で1時間あたり$0.026(約2.9円)ですが、2013年末のこちらのサイトの計測結果から算出すると、
1円あたりのUnixBench指数 | |
---|---|
t1.micro(東京リージョン1a) | 45.61 |
t1.micro(東京リージョン1c) | 90.03 |
で、別途グローバル側の通信に課金されることも考えると、Type-eも、単位費用あたりの性能としては優秀だと思います。
実は大事な「ほぼ寝てるサーバー」の費用
上記では「CPUが動いているときのコスト効率」を計算しました。
でも、実用的にはCPUを使ってない時のコストが問題となることも多いんですよね。
常時アクセスがあり利益を生み出すサーバは一部であって、企業の運用するサーバーの多くが平均CPU稼働率10%以下だったりします。
特に社内サーバーをIaaSに持って行くなんていう場合、稼働率が低い(低くても良い)ものや、多少レスポンスが遅くても良いものもあるため、「超低スペックでいいから一応稼働させておきたい」というサーバーが結構あるのではないでしょうか。
仕方ないので、「高稼働なサーバーや高性能が重要なものは高価なIaaSへ、そうでないものは安価なレンサバ屋へ」と、サーバーを分散管理していた私みたいな人間も比較的多いと想像します。
「ほぼ寝てるサーバー」の費用は、性能は低くていいので「1時間あたりが安いこと」が大事です。
そういう意味で、今回登場したType-eの中でもe-miniは非常に有用なプランだと思います*3